Lloyd’s Antiques

Journal

ロイズ・アンティークス 博多2014.05.03

ベントウッドを愛した偉人

ベントウッドを愛した偉人皆さま、連日のスタッフブログは楽しんでいただいておりますでしょうか?
ベントウッドには長年愛され続ける魅力が沢山詰まっていますね。

曲げ木の技術が完成してから今日まで、ベントウッドは数々の偉人にも愛されてきたことをご存知でしょうか。

トーネット社のNo.7022ロッキングチェアを愛用していたのは画家のパブロ・ピカソ。

旧トーネット社のポーランド工場で製作されたもの。
ピカソは1940年頃から、フランスのアトリエにこのロッキングチェアを置いていました。
彼がフランスにアトリエを構えた理由として旅行中にフランスがナチスの占領下となり、出られなくなったため。
ナチス占領下のパリにて、政権がピカソの作品を公開することを禁じた為(以前にゲルニカを発表)、彼はひたすらアトリエで制作に励むこととなります。
その為、ロッキングチェアがモデルとなる機会が増え、彼はこのロッキングチェアに女性を座らせた絵画を残しています。
時代の動きがピカソとトーネット社No.7022ロッキングチェアを出会わせ、名作を生み出したのですね。

ベントウッドを愛した偉人ベントウッド,ロッキングチェア

後の画家にも大きな影響をあたえた名脇役がこのトーネット社のNo.7022ロッキングチェアともいえるのではないでしょうか。

ベントウッドを愛した偉人モダニストの建築家たちに愛されたことで、「ウィーンの椅子」(ヴィエナチェア)と呼ばれた旧トーネット社のNo.6009を愛用していたのは近代建築の巨匠、ル・コルビュジェ。
写真はそのチェアと似た型の物。

1925年にパリで開かれたアールデコ展。そこで彼が発表した「エスプリ・ヌーヴォー館」において、
この採用したことから一躍世間に脚光を浴びることになったそうです。
そのため「ル・コルビュジェチェア」「エスプリ・ヌーヴォーチェア」とも呼ばれることがあります。

ベントウッドを愛した偉人また、印象派の画家ロートレックの代表作のひとつ、「ムーランルージュにて」にも描かれています。

ロートレックは幼い頃の怪我の影響から、発育障害となりました。それ故、差別を受けてきており、後に娼婦や踊り子に共感を持つこととなります。
そんなロートレックが入り浸っていたのが「ムーラン・ルージュ」というダンスホール。この作品にはロートレック本人も描かれており、どれだけここに入り浸っていたかが表現されています。
この“ムーラン・ルージュ”で彼は、踊り子たちの絵を描いたのでした。
このダンスホールではベントウッドチェアが使われていたようです。きっと画家本人も、ベントウッドチェアに座って彼女たちの姿を愛情を込めて描いていたのではないでしょうか。

ベントウッドを愛した偉人また、「戦争と平和」の著者、トルストイも愛用していたそう。
彼の実際の書斎に、そのベントウッドチェアが残っています。

このチェアに座って、数々の名作を生み出してきたのでしょうね。

ベントウッドを愛した偉人さらにはチャップリンの「モダンタイムス」では作中にベントウッドチェアが。


いかがでしたでしょうか?
家具を通して、過去の人物に思いを馳せる。アンティークならではの楽しみ方ですよね。
少し、ベントウッドチェアの見方が変わったのではないでしょうか。

さて、ブログリレーも残すところあと3日。
明日のブログも面白そうです。
神戸のみなさん、よろしくお願いします!